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ヴィディヤローケ主催の講演会 2日目 2018年8月12日

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インド、カルナータカ州バンガロール

今朝、ダライ・ラマ法王は、1,000人を超える聴衆に向けて講演をされるために、昨日に引き続きコンラッドホテルの会場に入られた。ヴァナ基金のヴェール・シン理事は、講演の内容についてのスピーチのなかで、法王は人間としてのすぐれた資質を極められた特別な方であると述べた。そして、法王が簡素な生活スタイルを貫かれ、常に喜びに満ち、子どものように純真無垢な心を持っておられることを人々が賞讃するのを耳にする時、そのような法王の特質は、精神修行の実践の賜物であることを思い起こす、と語った。

「現代に活かす古代インドの智慧」と題する講演の開会に際し、ランプに火を灯されるダライ・ラマ法王。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王は、以下のお言葉で話を始められた。
「皆さん、おはようございます。皆さんが昨晩ぐっすり眠り、今日の講義の間、居眠りせずに私の話を聴いてくださることを期待しています。そうすれば私もがっかりせずにお話をすることができるでしょう」

「『現代に活かす古代インドの智慧』という主題は、最近私が好んで皆さんにお伝えしているトピックのひとつです。現代社会において、物質的向上と科学技術は目覚ましく発展しましたが、私たちの情緒に関する危機的状況は、今でもなおざりにされています。社会を安定させるためにただ祈るだけでは十分な対策とはいえないでしょう」

「それよりも大切なことは、自分自身の心に平和をもたらすことです。そのためには、心と感情の働きについて学び、ありのままの現実がどうなっているかを理解しなくてはなりません。私たちは身体の衛生にはとても気を使っていますが、感情面における衛生にももっと目を向けるべきであり、心を訓練することによって清らかな感情を維持することが大切です」

「そのような心の訓練は、いかなる伝統的宗教の枠組にも偏らない、世俗の倫理として行われるべきです。インドで使われている『世俗の倫理』という言葉は、無神論者たちも含めて、全ての精神修行の伝統に対する尊敬の意味として用いられており、私がこの言葉を使う時は、この意味で使っています。しかし私の西洋人の友人のなかには、この言葉には反宗教の含みがあると感じる人々もいます。いずれにせよ、私の関心は、自分の信じる宗教への忠義心がどうであれ、いかに個人が平和で喜びをもって生きられるか、ということなのです。この点について、古代インドの智慧に含まれている様々な知識が、現代人にとって実践的かつ現実的な方法を提供できると私は信じています」

聴衆に向かってお話をされるダライ・ラマ法王。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「全ての伝統的宗教は人間性を向上させるためのものであり、やさしさと思いやりなど、人間のもつよき徳性をより高めて行くためのメッセージを伝えています。神を信じる伝統的宗教では、この世の創造主である神への信心に基づいて人間性を培う実践をしています。しかしここインドでは、無神教に属するサーンキャ学派の一派、ジャイナ教、仏教という三つの伝統的宗教が誕生しました。これらの伝統では因果の法に従って意識について考え、輪廻転生を受け入れています」

法王は、特に、脳が変化するという神経可塑性の発見により、脳の専門医が、意識には単なる脳の機能以上のものがあると認め始めていることを述べられた。ダルマキールティ(法称)は、意識以外のものが意識を生み出すことはない、と述べているが、脳の機能についての現代の知識は、当時よりも格段に綿密になってきている。法王はある科学者の言葉に言及され、それは、もしあなたの心の状態が穏やかであれば、単に思考に基づいて様々な感情を生み出すことができるというものであった。しかしその科学者は、それは、何らかの感情が起きていても、それを必ずしも受け入れる必要はない、ということを示すものであることを認めた。

法王の講演会に参加した1,000人を超える聴衆。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

意識には、微細なものから粗大なものまでいくつかの異なるレベルが存在すると言われている。最も粗大なレベルの意識は、感覚が全て目覚めた状態、つまり、私たちが起きている時の通常の意識である。それよりも微細なレベルの意識とは、夢を見ている時、熟睡している時、そして気絶している時の状態であり、最も微細なレベルの意識は死ぬときに立ち現れる。

仏教徒以外の人々にとって、自我は転生に重要な役割を果たす。しかし仏教徒は、恒常で、単一で、それ自体の力で独立して存在する自我はないという無我の見解を受け入れている。つまり、自我とは、五蘊を土台として単なる名前を与えたものにすぎないと主張しているのである。

四つの仏教哲学学派のなかで、最も基礎的な学派である説一切有部(毘婆沙師びばしゃし)は、事物には、生成・存続・消滅という三つの段階があると主張する。しかし他の学派では、物事は一瞬ごとに変化しており、そこには物質的な実質因とそれを助長する間接的条件が介在していると述べている。意識に関していえば、それを生み出す原因は、その一瞬前の意識ということになる。

英語の通訳者に向かってチベット語で解説をされるダライ・ラマ法王。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王は、最も深遠なレベルの見解を主張する中観派では、事物が外界に存在しているかいないかに関わらず、心には自性によって成立する固有の実体はないと述べていることに触れられた。ナーガールジュナ(龍樹)は、般若経にまとめられている智慧波羅蜜(完成された智慧)の教えの説明のなかで、縁起の見解を強調されており、法王はナーガールジュナの『根本中論頌』から次の二つの偈頌を引用された。


  • 何でも縁起しているものは
  • それは空であると説く
  • それは〔他に〕依存して仮説されたものなので
  • それは中の道である 『根本中論頌』第24章第18偈
  • 故に、縁起しない現象は
  • 何ひとつ存在していない
  • 故に、空でない現象は
  • 何ひとつ存在していない 『根本中論頌』第24章第19偈


『般若心経』のなかで、「色即是空(物質的存在は空である)」と述べられているのは、物質的なものの存在を否定しているのではない。ナーガールジュナは、縁起を見ることができる者は、「苦しみが存在するという真理」(苦諦)、「苦しみには因が存在するという真理」(集諦)、「苦しみの止滅が存在するという真理」(滅諦)、「苦しみの止滅に至る修行道が存在するという真理」(道諦)から成る『四つの聖なる真理(四聖諦)』を理解できる、と述べられている。

法王は、釈尊は最初に四聖諦の教えを説かれ、その後で般若波羅蜜(完成された智慧)の教えを説かれたことを明らかにされた。釈尊が四聖諦と共に説明されたのが、苦しみとその原因はどのように生じるのか、また、どのように止滅するのかを概説した十二支縁起の教えである。

法王のコメントに笑いがこぼれる参加者たち。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

さらに法王は、ナーガールジュナの『根本中論頌』から次の偈頌を引用された。


  • 行為と煩悩を滅すれば解脱〔に至る〕
  • 行為と煩悩は誤った認識(妄分別)から生じ
  • それら〔の誤った認識〕は戯論から生じる
  • そして戯論は、空によって滅せられる 『根本中論頌』第18章第5偈


行為と煩悩を生む誤った認識は戯論から生じる。そして戯論は空によって滅せられるのである。

チャンドラキールティ(月称)は『入中論』の中で、馬車のどの部品も馬車それ自体なのではないということを確立されている。しかし、それは馬車が存在しないという意味ではなく、馬車は世俗のレベルでは確かに存在し、機能を果たしている。

法話会場となったコンラッドホテルのステージの情景。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

法王は以下のようにアドバイスをされた。
「私たちは人間の知性を最大限に活用して修行しなければなりません。煩悩をできるだけ軽減していくためには、空性について考えることが非常に役に立ちます。既にお話しした2冊のテキスト、ナーガールジュナの『根本中論頌』とシャーンティデーヴァ(寂天)の『入菩薩行論』は、内なる敵である自己中心的な態度に挑み、自らの破壊的感情を打ち負かすための大変強力な武器になります。これらのテキストに関する教えについて聞き、考え、瞑想すること(聞・思・修)は、本尊などを観想する修行よりもはるかに効果的です」

「この人生を意味あるものにすることは可能であり、そうなれば、来世も善趣に生まれることが保証されるでしょう。私も師のひとりだと言えますが、何十年もかけてこれらのことを修行してきましたので、あなた方も短期間で成果が得られるとは期待しないでください。よく勉強して、分析し、学んだことについて瞑想することにより、教えを心に馴染ませる努力をしてください」

法王は、釈尊は釈迦族の王子として生まれたが、出家してからは乞食のように何も持たずに生きられたことを聴衆に想起させられた。そして法王は、マハトマ・ガンジーもまた、弁護士としての教養を身につけたにもかかわらず、慎ましく、謙虚な人生を貫いたことに言及された。

ダライ・ラマ法王に質問をする参加者。2018年8月12日、インド、カルナータカ州バンガロール(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

講演の終盤に行われた質疑応答では、ある少年が、学校の活動でダライ・ラマの役を演じなければならず、法王について沢山のことを学んだと述べたうえで、法王は慈悲の修行を実際にされているのか、されているのなら、どのような実践をしておられるのかと直接尋ねた。それに対して法王は、昨日も話されたシャーンティデーヴァの『入菩薩行論』を注意深く学習することがいかに有効であるかを繰り返し述べられた。

そして法王は、次の言葉を少年に贈られた。
「この本を読み、自分の体験と照らし合わせて比べてみてください。そして、あなたがダライ・ラマの役を演じるときは、笑顔を忘れてはいけませんよ」

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