朝の東京駅にて
来日中のダライ・ラマ法王は9日、夜明け間もない午前6時に成田市のホテルを出発し、京都への移動のため、JR東京駅に向かわれた。(撮影:ジグメ&チョペル)
朝のラッシュのJR東京駅で、職場へと急ぐ通勤客の間をゆっくりと新幹線プラットフォームへ向かわれる法王。以前から法王は膝に不調があり、エスカレーターを利用されることが多い。(撮影:ジグメ&チョペル)
プラットフォームの新幹線待合スペースでは、隣り合わせた女性に英語で話しかける一幕も。「どちらにお住まいですか」「今日は、どこへ行かれるのですか」。その様子に、それまで遠巻きにしていた人たちが次々に近づき、列ができる。出張先に向かう途中のサラリーマンも、頭を下げて握手を求めた。(撮影:ジグメ&チョペル)
京都でご講演
京都に到着されたダライ・ラマ法王は9日、東山浄苑東本願寺(京都市山科区)で講演をされた。約600人の聴衆を前に、世界平和とは、「ひとりひとりが優しさと思いやりで『心の非武装化』を進める努力をすることによって実現する」と説かれた。折りしもこの日はアメリカ大統領選が実施され、保護貿易主義や不法移民排斥を掲げるトランプ氏が当選。平和と協調について考える1日となった。(撮影:ジグメ&チョペル)
「ありがとうのはながさくよー」子どもたちが「ありがとうの花」を歌い、披露するのをご覧になる法王。一緒に、両手のひらを合わせて花を咲かせる振り付けを真似された。(撮影:ジグメ&チョペル)
「仏法に基づき、よりよい社会、国家をつくり、世界中の人々が幸せになるよう努力する」とした共同声明に調印した後、本願寺文化興隆財団の大谷暢順理事長に、チベットで敬意と祝福を示す白い「カター」を贈った。マフラーのようにくるりと巻き付けた大谷理事長に、法王は笑顔でスタイリングのお手伝い。(撮影:ジグメ&チョペル)
東山浄苑東本願寺へのメッセージをチベット語でしたためられる法王。チベット語は古来、竹を削ったペンで筆記され、日本語に楷書体や草書体、行書体があるのと同様に、何種類もの書体がある。(撮影:ジグメ&チョペル)
屋内から庭園「響流庭」を眺め、わずかに色づき始めた木々に見入る法王。20世紀初頭のダライ・ラマ法王13世の時代、東山浄苑東本願寺の源流である東本願寺(現真宗大谷派東本願寺)の僧侶、寺本婉雅(1872~1940)がチベット入りを果たした。チベット仏教の高僧を日本に招いたほか13世とも謁見、チベットと日本のつながりを深めようと努力した歴史がある。(撮影:ジグメ&チョペル)