2011年3月14日 第14期チベット亡命政権議会議員 各位 ご存知の通り、チベット語で「チョルカ・スム」と呼ぶチベットの三つの地域は、初代王ニャティ・ツェンポの時代(紀元前127年)から支配者ティ・レルパチェンの時代(838年)まで、およそ千年間、チベットの王が42代にわたって統治してきました。その千年間、チベットは中央アジアの大国として、軍事的にも政...
2006年3月27日、ダライ・ラマ法王はダラムサラにおいて、チベット本土より訪れたチベット人グループを前に講話を行われた。その中で法王は、「チベット人のアイデンティティーが滅亡の危機にさらされている」と語られ、「チベット史上最大の困難な状況において、チベットの仏教文化や民族性を持続していくには現代教育が不可欠である」と強調された。 私はこれまで、「チベット...
2001年10月14日 フランス、ストラスブール 議長、並びに敬愛する議員の皆様 欧州議会にて演説できることを大変光栄に思います。私は、欧州連合の存在が異国の人々が協力しながら平和に共存していくことを奨励する例として、また私のように、世界の諸国間にさらに深い理解、さらに親密な関係、そしてさらに大きな敬意が必要であると強く信じている者にとっても、励みになる...
2003年9月1日チェコ共和国、プラハ まず、マスコミで広く報じられている通り、私の特使2名が中国政府との接触を再開したことを嬉しく思い、これについてご報告します。接触の結果、昨年9月と今年の5~6月に会談が実現しました。我々にとっては、こうした接触の機会を維持するのみならず、それを発展させ、チベット問題について中国側と実質ある交渉を行なう努力をしていくこ...
ダライ・ラマ法王による欧州議会議員への講演 1988年6月15日フランス、ストラスブール 現在、私たちはまさに相互依存の世界で生きております。ひとつの国家の問題は、もはやその国だけの問題ではなくなってきています。全世界の責任感なしに人類の生存は難しいのです。それゆえに私は、世界の様々な国家間のより良き理解、より緊密な協力、より深い尊重の必要性を常...
米国議会人権幹部会への演説 1987年9月21日 世界はますます相互依存の度を深めつつあり、国家の、地域の、ひいては世界の永続的平和を達成するためには、地域主義を離れてより広範な利益の実現を目指す立場に立つことが求められています。今大事なのは、私たちすべてが、力ある者もなき者も、各人にふさわしい方法で貢献の道を探ることです。今日は皆さんに対して、私はチベッ...
1961年より、政治的責任者としての立場を引退された2011年までに、ダライ・ラマ法王が発信された3月10日のチベット民族蜂起記念日の声明文。...
2008年3月28日 世界各地におられる私の兄弟姉妹である中国人の皆様、とりわけ中華人民共和国内の皆様に、心からご挨拶を申し上げます。本日は、近年のチベット開発の状況を踏まえ、私がチベット人と中国人との関係について考えていることを皆さまと共有することで、すべての中国人の方々に一個人としてお呼びかけしたいと思います。 私はチベットにおける悲劇的な動乱で...
チベットにおけるこの度の悲劇的な事態を懸念してくださっている各国の指導者、議員、NGO、一般市民の皆様に感謝の念を捧げます。また、中国当局が平和的デモ行進に対する武力行使を取り止め、問題解決に向けた有意義な対話に入るよう、中国当局の説得に努めてくださっていることに衷心より感謝申し上げます。 私は、この度のデモ行進と抗議行動は、チベット自治区と呼ばれている地...
チベットにおられるチベット人のみなさんに心からのご挨拶を申し上げ、私の考えを共有させていただきたいと思います。1. 今年の3月10日以降、チベットのほとんどの地域で抗議行動やデモ行進が行われ、中国本土においてさえも、いくつかの都市で学生が抗議行動を行ないました。私はこれを、チベット人が長年こらえてきた心身的苦悶、宗教の自由の不在をはじめとする権利の抑圧、「チ...
本日は、私の精神的兄姉である中国人の皆さまに、とりわけ中華人民共和国の内外におられる仏教徒の皆さまに、個人的なお呼びかけをいたします。このお呼びかけは、ひとりの僧侶として、また私たちが最も敬愛する釈尊の弟子として行なわせていただくものです。中国内外の中国人の皆さまへのお呼びかけはすでに行なわせていただきましたので、本日は、宗教的兄姉であられる仏教徒の皆さまに...
中道のアプローチは、ダライ・ラマ法王によって提唱された政策であり、その目的はチベット問題の平和的解決、ならびに平等と相互協力に基づいてチベット人―中国人間に安定と共存をもたらすことにあります。また中道のアプローチは、中央チベット政権やチベット人有識者をはじめとするチベット人が長い時間をかけて審議を重ね、民主的に採択された政策でもあります。中道のアプローチをよ...
賞金の一部は、世界各地の飢餓に苦しむ人々のために寄付します。また、その一部をインドのハンセン病プログラムおよび平和活動に従事する団体・プロジェクトのために役立てます。そして最後に、賞金の一部を「普遍的責任のためのチベット民族基金(Tibetan Foundation for Universal Responsibility)」の設立資金に当てようと思います。...
兄弟姉妹の皆様 今日、皆さんと共に過ごせることを幸せに思います。世界各地から来てくださったこんなにも多くの旧友の皆さんにお目にかかれて光栄です。またこの地で出会う新たな友人の皆さんとは将来、再会の機会が訪れることを願っています。世界中から来られた人々と出会うと、人間は誰もが本質的には同じだといつも思います。私たちは皆、同じ人間なのです。着ている服が違うかも...
ブッシュ大統領、ナンシー・ペロシ議長、ロバート・バード上院議員、同じく勲章を受賞されたエリ・ヴィーゼル氏、議員の方がた、そして兄弟姉妹の皆さま。 このたび米国議会名誉黄金勲章受賞の栄誉にあずかりましたことを大変光栄に思います。これはチベット民族にとって大きな喜びと励みとなるでしょう。私はチベット民族に特別な責務を負う者です。彼らの幸福は私の原動力であり、私...
NDTVのアンカーマン、バルカ・ダット氏によるダライ・ラマ法王へのインタビューの記録。インタビューは2010年7月4日にインド、ダラムサラの法王公邸にて一般公開で収録され、NDTVでは2010年7月6日に放送された。下記はインタビューの全記録である。 NDTV:ダライ・ラマ法王が世界で最も尊敬され、最も愛されている政治上、また精神的な指導者のひ...
[インタビューの第一部はこちらから] NDTV:私たちはダライ・ラマ法王の75歳の誕生日にちなみ、ダラムサラにある法王公邸で対話をさせていただいています。ですから私たちにとっても、冗談が言える数少ない聖者のひとりであるダライ・ラマ法王を知り、信仰し、敬い、友情を築いたすべての人々にとっても、とても特別の機会です。そのすべての人々の声を今日、聞きます。デリー...
2010年5月、タイム誌は「ダライ・ラマ法王への10の質問」と題した記事のために、ニューヨーク市で法王にインタビューを行った。 質問:怒りを感じたり憤慨されることはありますか? — カンテシュ・グッタル(インド、プネー) ダライ・ラマ法王:もちろん、あります。私は人間です。一般論として申し上げれば、人が怒りを決して表さないとしたら、どこかおか...
2008年5月22日 イギリス、ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール リッキー・ハイド・チェンバーズ(チベット・ソサエティ会長):ご列席の皆様、チベットのダライ・ラマ法王14世テンジン・ギャツォ猊下を皆様にご紹介できることを誠に光栄に存じます。 聴衆のひとり:私たちはあなたを愛しています。 ダライ・ラマ法王:ありがとうございます。まず、座り直させてく...
私はすべての有情のために如意宝珠にもまさる最高の目的を達成しようという決意によって常に有情を慈しむことができますように この四行詩は、他のすべての有情たちを心から愛しいと感じる心を育むための教えです。この偈では、他の有情たちを如意宝珠のように貴重な宝とみなす態度を築くことがいかに大切であるかが強調されています。そこで、「何故私たちは、他の有情たちを貴重で価...
誰と一緒にいる時でも自分を誰よりも劣った者とみなし他者を最もすぐれた者として心の底から大切に慈しむことができますように 第一偈には、すべての有情を宝のように貴重な存在とみなす心を育む必要性が説かれていましたが、第二偈では、すべての有情を宝のように貴重な存在と認識した上で、彼らを劣った者と考えて憐れむのではなく、貴重な宝とみなす心を土台として大切に慈しむべき...
いかなる行ないをする時も、自分の心をよく調べ自分と他者を害するだけの煩悩が生じるやいなや真っ向から立ち向かいすぐさま力ずくで対治することができますように この偈は本当に、仏法の修行のエッセンスとも呼べる核心に触れています。仏陀の教えという脈絡の中でダルマ(法)について語る時、私たちは涅槃、つまり苦しみが止滅した境地のことを話しているのです。苦しみからの解放...
悪い性質を持った有情たちが悪行や辛苦に苛まれているのを見た時貴重な宝を見つけたかのように得がたいものとして大切に慈しむことができますように この偈は、おそらくその人のふるまいや外見、貧困や病気などのために社会的に重要視されていない人々とどのように関わるべきかという特別な状況について述べられています。菩提心を育む実践をしている人ならば、そういう人たちに出会っ...
誰かが私に嫉妬して罵倒し、侮辱するなどひどい目にあわせても負けは自分が引き受けて勝利を他者に譲ることができますように ここで述べられているのは、他の人たちが特に何の理由もなく、不当にもあなたを挑発してくる時、それに対して否定的な反応をするのではなく、本物の利他行の修行者としてその人に寛容さを示し、忍耐強く対処するべきだということです。そのような扱いを受けた...
第七偈には、今まで私たちが議論してきたすべての修行の要約が述べられています。 要約すると、直接的にも間接的にも母なるすべて〔の有情たち〕に利益と幸せを捧げ母〔なるすべての有情たち〕の被害と苦しみをみなひそかに私が引き受けられますように この偈では、「トンレン」と呼ばれる仏教の特別な修行が提示されています。この修行は、「自分の幸せを他者に与え(トン)、他者...