聖観自在菩薩の灌頂
日本ご滞在4日目の15日、ダライ・ラマ法王は前日に引き続き、横浜市のパシフィコ横浜で法話を説かれた。開始前の早朝から、韓国から訪れた尼僧や女性信徒535人とグループ謁見するなど、多くの人々と精力的に言葉を交わされた。(撮影:テンジン・ジグメ)
横浜の高層ビル街に朝の陽の光が差し込む渡り廊下を通り、予定時間より早く会場へ向かわれた法王。(撮影:テンジン・ジグメ)
法話会では通例、先に聴衆が着席し、満場の拍手で会場に法王を迎える流れをとるが、この日来場した参加者は、ホールに入った瞬間、玉座でほほ笑む法王を目にして一様に驚嘆。多くの参加者が客席前方に駆け寄り、後ろ向きに立って、法王を背にツーショット風のセルフィーを撮って喜んでいた。客席の後方では、法王と正対して五体投地し、帰依を示す信徒の姿もあった。(撮影:テンジン・ジグメ)
灌頂は、密教の修行をするための重要な儀式。浄化のための水、マンダラを見ることを許されていない段階を示す赤い目隠し、「ツァカリ」と呼ばれる本尊や吉祥紋などの絵を描いた小さな紙など、さまざまな灌頂の小物を用いて密教を実践する者として仏と直接に縁を結ぶものなので、誰を阿闍梨(師)として灌頂を授かるかも重要である。この日、チベット仏教で観音菩薩が現世に仮の姿をとってあらわれた化身(転生者)であるダライ・ラマ法王からじかに灌頂を授かった信徒たちは、今生でこれ以上何にも代えがたい仏縁を得たことになる。(撮影:テンジン・ジグメ)
はーっくしょん!灌頂の途中で突然、法王のとても大きなくしゃみが響いた。一瞬、固唾をのんで静まる会場に、法王は照れ笑いで「眠くなってきた方もいるでしょうから、(くしゃみを)しました」。ユーモアあふれる弁解に、緊張が一瞬で緩み、会場は大爆笑に包まれた。(撮影:テンジン・ジグメ)
通訳ブースからは、日本語、英語、中国語、韓国語、モンゴル語、ロシア語の仏教通訳者が、それぞれので言語で法王のお言葉を伝える。日本語通訳はマリア・リンチェンさん。2日間にわたった法話の終わりに司会者が紹介すると、会場からはねぎらいの拍手が送られていた。(撮影:テンジン・ジグメ)