インド、カルナータカ州ムンゴット
今朝、ダライ・ラマ法王はデプン僧院を出発し、車での短い移動でガンデン僧院へと向かわれた。法王が最初に立ち寄られたのはチャンツェ学堂であった。ここで法王は、新建された教室棟、そこに祀られるツォンカパ大師と法王の像、新築の図書館に落慶法要をするよう要請されていた。
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法王が輝くような微笑みを浮かべて到着されると、法螺貝が吹き鳴らされ、ガンデン座主が法王をお迎えした。法王は吉祥なる開会の儀式としてバターランプに火を灯された。マンダラと仏陀の身口意の象徴が法王に捧げられ、供物を手にした施主たちの列が進み出て、法王に供養した。会場では、お茶と甘いご飯がふるまわれた。
法王の法座は二体の像と向き合うように置かれ、法座と像の間に張られた紐によって、法王と像がつながれた状態になっていた。法王が落慶の祈願を唱え終えると、法王の前に真鍮の銘板が披露された。そこには建物の建設目的と法王がここで落慶法要をなされたことがチベット語と英語で記されており、法王はそれを加持された。
次に、スリランカの高僧が二棟の新築建物の間に植える菩提樹の苗木を法王の御前に捧げ、法王はそれも加持された。
次に法王は、新しく建築された歴代ガンデン座主を祀る金霊塔殿へと向かわれ、落慶の加持をされた。
その後、法王が隣接するガンデン僧院大集会堂(ラチ堂)に到着されると、道に花びらが蒔かれていた。法王は吉祥をもたらすと言われる伝統舞踊のタシ・ショルパや、チベットの様々な地域を代表する踊り手たちの歓迎を受けた。法王がベランダから雪獅子の獅子舞に向かって冗談を言われると、踊り手たちは喜びで身をくねらせて応えた。法王は、ここでもう一つのバターランプに火を灯されてから、金色の大きな儀式用傘を差しかけられつつ、ガンデン座主、チャンツェ法主、シャルツェ法主、ムンゴットチベット人居住区の代表、ガンデン僧院の規律師の案内で、ガンデン僧院ラチ堂の法座へと進まれた。
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法王が着席されると、ガンデン座主がカタと呼ばれる絹布を法王に捧げ、そのまま法王と対面する位置に置かれた自身の席に着かれた。ガンデン座主は、シャルツェ法主、シャルツェ学堂長、チャンツェ学堂長と共に今日の法要の主宰であり、ここ数日間にわたり長寿法要の準備「ツェドゥプ」を主導してこられた。今日の法要の儀軌『不死の甘露の優れた瓶』はジェ・ツェジンマとして知られる長寿の本尊・無量寿仏としてのツォンカパ大師を本尊とし、ツォンカパ大師を不死の甘露の入った瓶を手に持つ無量寿仏のお姿で観想する。その際、ツォンカパ大師の礼賛偈であるミクツェマの三偈頌目を「非時の死を打ち破る無量寿仏」に替えて唱える。
この儀軌は、法王の筆頭家庭教師でシャルツェ法主であったヨンジン・リン・トゥルク・ロサン・ルントク・テンジン・ティンレー師が、デプン僧院ゴマン学堂の偉大な師、グンル・トゥルク・カンギュル・ラマ・テンパ・チューペル師の要請で作成したものである。
儀軌は、上師である法王がツォンカパ大師のお姿で現れ、微笑み、色白で、黄色い僧衣とパンディタ帽を纏っていらっしゃる、と観想することから始まった。上師は右手に青蓮華の花の茎を持ち、その上には智慧の剣が立っている。左手は不死の甘露に満ちた瓶と、如意樹の枝を持ち、その上には経典が置かれている。上師は眩しく光り輝き、上師の御身体の上に出現した数々の仏国土を明るく照らしている。上師の頭頂、喉、胸の三処は、それぞれ白いオーム、赤いアー、青いフームの種字で飾られている。
このお姿に向かって「勝者仏陀を礼賛します。何劫にもわたる慈悲の修行をなし、祈願を成就なされた方々よ。どうか今日、一切衆生のために仏の御事業をお示しください。衆生救済のため、あらゆる神変を成してください」という礼賛と勧請の偈頌を唱えたあと、智慧薩埵が上師に溶け込む観想をした。その後、上師に漱口水をはじめとする八供養を捧げる観想と、「七支分の祈り」が唱えられた。
最後にツォク供養が捧げられ、法王がそれを味わわれた。ここで、法要の金剛阿闍梨(導師)であるガンデン座主、シャルパ法主、ガンデン僧院のシャルツェ学堂とチャンツェ学堂の現学堂長と元学堂長、ニンマ派僧院の僧院長、ガンデン僧院事務長、施主たちが進み出て法王の加持を受けた。ガンデン座主が経文を唱えながら長寿の矢を捧げると、法王はそれを受け取られた。会衆にツォク供養が配られる間、法座の近くに座していた高僧方は、カラフルな紐で繋がれた小さな金剛を胸の前にかざして法王の長寿祈願を唱えていた。
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ガンデン座主、ガンデン僧院シェルツェ学堂長、チャンツェ学堂長、チベット人居住区の代表が、マンダラと仏陀の身口意の象徴を捧げ、法王に対して明確に長寿の請願をした。さらに、不死の甘露で満たされた瓶、長寿の酒、長寿の丸薬、僧衣、座布団、托鉢の鉢、錫杖、五智如来の象徴、七つの王者の象徴、八吉祥の象徴、八吉祥の供物が捧げられた。
一切仏の化身である上師たる法王に供養を捧げる観想をし、どうかこの世に長く留まり、一切衆生にツォンカパ大師の教えを説いてください、と祈願をした。さらに上師の心には、聖者の七宝があると観想した。
供物を手にした人々の長い列が僧院の中を進む中、法王の長寿を祈願するマントラ「オーム・アー・グル・ヴァジュラダラ・バッタラカ・マンジュシリー・ヴァギンドラ・スマティ・ジュニャーナ・シャーサナ・ダラ・サムドラ・シュリー・バドラ・サルヴァ・シッディ・フーム・フーム」が唱えられた。
居住区代表のリンチェン・ワンモ女史が、観音の化身である法王への請願文を読み上げた。「ここにいる私たちは、法王への揺るぎない信仰を持っています。法王は、仏法とチベットの人々にとって重要な時期に90歳を迎えられました。法王はこれまで、私たちを導くために懸命に働いてこられました。そして、ドグリン・チベット人居住地に住む私たちは、法王への一心な帰依のあらわれと、90歳のお祝いとして、金銀の法輪を捧げます。法王の生命に関するすべての障害が取り除かれますように。法王の生命が揺らぐことも、妨げられることもありませんように」
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法王が請願を聞き入れられると、感謝のマンダラが法王に捧げられた。
グンタン・テンペー・ドゥンメ作の『ツォンカパの教えの隆盛を願う祈願文』につづけて『無量寿仏への礼讃』『三宝に関連する吉祥の偈頌』『真実の言葉』が唱えられた。
法要が無事に終りを迎えると、法王は法座から立ち上がり、しっかりとした足取りで本堂を歩かれ、微笑みながら会衆に手を振られた。ガンデン座主が法王を見送られた。法王は本堂の扉の前でゴルフカートに乗り、待機していた自動車まで移動され、そこからデプン僧院ゴマン学堂への帰路に着かれた。










