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神変祈願大祭の法話『ジャータカ』 2024年2月24日

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インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今朝、ツクラカンとその中庭は、毎年恒例となっているダライ・ラマ法王の『ジャータカ』(本生譚)の法話を聞くために集まった、チベット人とヒマラヤ地方の人々、そして、それ以外の地域からやって来たおよそ8,000人の聴衆で埋め尽くされた。今日はチベット暦1月の満月の日で、祈願大祭が頂点を迎える “供養の日” に当たる。

“供養の日” の法話を行うため、ツクラカンの中庭を通って法座まで歩かれるダライ・ラマ法王。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

法王は、法王公邸からツクラカンに続く門より、中庭の先にある、ツクラカンの階下に設えられた法座まで歩かれた。チベットの管楽器であるギャリンを吹く僧侶たちと、香炉を揺らしながら歩く僧侶が法王を先導し、別の僧侶が大きな黄色い儀式用の傘を法王の背後から差しかけた。法王が法座に着かれると、法座の左側には高僧の集団が、右側には中央チベット政権(CTA / the Central Tibetan Administration)の職員が着座した。法王の隣に置かれたテーブルには満開の白い蘭が飾られていた。

経頭が『般若心経』の読経を始め、続いてツォンカパ大師の『菩提道次第集義』から、仏陀、文殊菩薩、弥勒菩薩、ナーガールジュナ(龍樹)への帰敬の偈頌が唱えられ、その間にお茶とデシ(甘く味付けしたお祝いのご飯)が参列者に配られた。中央チベット政権・文部省のターラム・ドルマ・チャングラ大臣は、マンダラを捧げて法王に教えを説いてくださるように勧請し、ギュト密教僧院およびナムギャル僧院の僧院長が大臣に続いた。そして、帰依の偈頌と発心の偈頌が参列者全員によって誦経された。

ツクラカンの中庭で行われた “供養の日” の法話会で、マンダラ供養を先導する経頭。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

ダライ・ラマ法王は次のように話しを始められた。
「今日皆さんは、法話を聞くためにこの中庭に集まりました。今日の世界では、内面的な成長に関心を持つ人の数が増えています。物質的なことに重点をおく生活を送ってきた人に、そのような傾向が顕著に見られます。人々は心を訓練することに興味を抱いているのです」

「神の存在を受け入れる宗教的伝統は良いものですが、仏教は心の働きの完全な解明において際立っており、そのことが科学者たちの関心を引き寄せています。心を訓練することで心の平和を得ようとする私たちのアプローチは、現実的かつ科学的であり、それはチベットとその周辺地域で守られてきた伝統です」

「私には、創造主である神への信仰によって心の平和を見いだそうとする信心深い友人たちがいます。一方で私たちは、心の平和を得るためには心を使い、心を訓練することが必要であると信じています。西欧では、宗教を信仰しない人たちが、仏陀が説かれた執着や怒りを減らす方法に注目しています。実際、怒りに対する主な対治は慈悲心をもつことです」

「インドの導師チャンドラキールティ(月称)は、著作の『入中論』の冒頭で大悲を称えておられ、悟りに至る修行道の最初においても、途中においても、成就を得る時においてさえ、慈悲の心に礼拝すべきであると述べられています。慈悲は利益の収穫をもたらすものなのです」

「私たちの日常生活においても慈悲の心は極めて重要です。暴力に訴え、他者に危害を加える今日の世界で、慈悲の心は重要な仲介役を果たします」

ツクラカンの中庭で参列者に説法をされるダライ・ラマ法王。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

「私は慈悲の修行を自分の修行の根本に据え、それを空性の理解と結びあわせています。この修行により、煩悩に振り回されることのない心の平和が訪れ、その結果として、健康と長寿がもたらされるのです」

法王は、チベットに伝わった仏教であるナーランダー僧院の伝統は、信仰ではなく論理と根拠に依拠したものであり、そこには心の働きについての理解が含まれていると説明された。そして法王は感情が引き起こす問題について把握することの重要性を強調された。

法王は、チベットの仏教王であるソンツェン・ガンポ王は、中国の皇女を娶られたにも関わらず、チベット文字作成の手本を決める際には、インドのデーヴァナガリ文字を採択されたので、王はとても決意の固い方だったのだろうと述べられた。その後ティソン・デツェン王の時代にはシャーンタラクシタ(寂護)がチベットに招聘され、ナーガールジュナなどナーランダー僧院の導師たちの著作を、論理と根拠を使って厳密に学ぶ方法が導入された。

法王は、論理と根拠を用いれば用いるほど、仏陀の教えをより深く理解することができることを強調され、学んだことについて何度も考え抜くことは強力な方法であると繰り返された。そして法王は、ナーランダー僧院の伝統の基礎をなす勉学と分析を結びあわせる方法は、世界の宝の一つであると述べられた。

「大変動に直面しているこの世界において、怒りや自負心、傲慢さは心を乱すものであると理解することが大切です。世界の多くの地域で、人が人に危害を加え傷つけています。私たちが保持して来た伝統の核心である慈悲の教えによって、必ずや彼らに利益をもたらすことができるでしょう。教えを実践することで、この伝統は生きたものとして保たれてきました。私たちの中国人の友人たちは、チベット人が基本的に善い心を持った人々であることを認めています。世の中の状況は変わっても心の平和は変わりません」

法話会に参列するためツクラカンの中庭に集まった8,000人の聴衆。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

「ですから、私たちは自分たちのしている行いとその価値を、可能なときにはいつでも説明するように努めるべきなのです。私たちには心の平和を生み出す伝統があり、それは世界に平和をもたらすために不可欠な要素です。怒りの感情にのみこまれている時には心に平和がなく、愛と慈悲に心動かされている時にはそれがあることを認識することが重要です」

「私は菩提心を高めることと空性を理解することを自分の修行の核心としており、そのことによって心の平和がもたらされていると述べました。皆さんも慈悲と智慧を育み、あたたかい心を自分の修行の基礎に据えるよう強く勧めます」

「今から私は、一切ヨーガの菩提心生起に皆さんを導きたいと思います。これは私が毎日している修行で、皆さんにとっても有益なものだと思います。人間として私たちは皆同じです。誰もが幸せを願い、悲しみを望まず、悪いニュースではなく、良いニュースを聞きたいと思っています。善い心の持ち主は人から好かれ、自負心が強く傲慢な人を進んで称讃する人などいないでしょう」

「『入中論』の最初で、チャンドラキールティが慈悲に礼拝されているのは、それが悟りの種であるのみならず、成長に必要な水であり大地でもあるからです。私は慈悲を自分の主な修行としており、それは慈悲によって心の平和と堅固な健康がもたらされるからです。動物でさえ慈悲の真価を知っています」

「朝目覚めるとすぐに、私は菩提心について省察します。そして、事物が客観的に存在するように見えても、よくよく考察してみるならば、見える通りにはそれらが存在していないことについて思いを馳せます。私は毎日これらの原理について熟考しています」

法話中の法座の光景。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

「ここで、他者のために真に役立とう、という菩提心について瞑想しましょう。菩提心は短期的にも長期的にも、他者にとっても自分にとっても役立つものです。今、この善き心、利他的な心が、自分の胸の位置にある白い月輪に変容したと観想します」

「次に、自分とは何かをあれこれと考え、堅固で独立した自己があるように見えていることを思い起こします。そのような自己を見つけようと探してみると、どこにもそれを見出すことはできず、自己とは言語と観念によって名付けられただけの存在であることに気づきます。そこで、堅固で独立したものなど何もない、というこの理解が、胸の位置の月輪の上に立つ、白い金剛杵に変容したと観想します」

「悟りがすぐに起こることはありませんが、地道に修行していけば、いつか夜明けは訪れるでしょう」

法王は一切ヨーガの菩提心生起のマントラである “オーム・サルヴァ・ヨガ・チッタ・ウバタヤミ” を唱えるように聴衆を導かれた。そして法王は、弟子たちの心が安定し、一切ヨーガの菩提心が堅固になるように、法王に続いて “オーム・スラテ・サマヤ・サトヴァム・ホー・シッディ・ヴァジュラ・ヤタ・スカム” を復唱するように求められた。

それから法王は、以下の観音菩薩の礼讃偈と、観音菩薩の六字真言 “オーム・マニ・ペーメ・フーム” を唱えられた。


  • すべての仏陀に大いに称讃されている
  • 一切の高貴な徳性を身につけられ
  • 瞬きせずに見つめる本尊となづけられた
  • とこしえの悲心をもつあなたに礼拝します


続いて法王は、文殊菩薩への下記の礼讃偈とその真言である “オーム・アラパツァナ・ディ” を唱えられた。


  • 三界の闇を切り裂く
  • 智慧の灯火で飾られた
  • 若々しいお姿の
  • 文殊菩薩に礼拝します


最後に法王は、この供養の日の慣習である、釈尊の前世譚『ジャータカ』の一節の朗読を始められた。今回の物語は、釈尊が菩薩として、シビ族の王であった時の話である。王は臣民が害悪を断ち、正義を受け入れるように推奨していた。

法王の説法に耳を傾ける聴衆。2024年2月24日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:ザムリン・ノルブ)

その王国にはとび抜けて魅力的な若い女性がおり、ウンマダヤンティ(男を狂わせる女)と呼ばれていた。女性の父親は王に娘を嫁がせたいと申し出たが、王は助言者たちの勧めに従ってそれを断ったので、彼女は宮廷の役人と結婚した。しかし、王が戦闘用馬車で街に出かけた際、彼女と出会い、熱烈な恋におちてしまった。

ウンマダヤンティの夫は、彼女を自分の贈り物として献上すべく王への説得を試みたが、王の返答は次のようなものであった。「それはできない。理由は以下の如くである。第一に私の功徳がすべて失われてしまうだろう。そして私は不死の身ではないのだから。第二に私の邪悪な行いが世間に知れ渡ることになるだろうから。最後に、妻と別れたあなたは悲しみの火に焼かれ、その炎は枯れ草を焼き尽くすようにあなたを燃やすであろうから」

法王はそこで朗読を止められた。感謝のマンダラが法王に捧げられ、『仏法の興隆を願う祈願文』が詠唱された。法王は微笑んで聴衆に手を振りながら、安定したゆっくりとした足取りで公邸に続く門まで歩かれ、そこからゴルフカートに乗り込んで公邸へと戻って行かれた。


[この記事の動画はこちらから]

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