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『根本中論頌』法話会 2日目 2022年11月26日

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インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

今朝、ダライ・ラマ法王は法座に着かれると、法話会場の最前列から堂内いっぱいに並んで座している韓国の僧侶、尼僧、在家信者の聴衆に向けて次のように話し始められた。

ツクラカンで行われた法話会の2日目に、堂内に座した韓国の僧侶、尼僧、在家信者に説法をされるダライ・ラマ法王。2022年11月26日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「親愛なる韓国の兄弟姉妹の皆さん、皆さんは、戦争と政治的緊張の最中にあっても仏教への信心を失わず、実践を続けておられます。北朝鮮は武器の使用に依存し、それは深刻な脅威となっていますが、私たち全員が責任を負い、朝鮮半島に平和をもたらす努力をしなければなりません。どうか、北朝鮮との対立を解消するために最善を尽くしてください」

「仏教は一切有情を配慮した広い視野を持っていて、その観点に基づいてこそ世界平和の実現が可能です。心の平和に根ざした世界平和の構築が必要なのです。釈尊は心の働きについて大変詳しく説かれ、怒り、貪り、嫉妬などの感情の噴出によって、私たちの心はかき乱されていると説明されました。このような煩悩に対抗する簡単な方法は、良き心を培うことです」

「今朝は仏陀の法を概説し、一緒に瞑想したいと思います。始めに分析的瞑想、次いで一点集中の瞑想を行います。最初は大日如来の七つの点を含めた姿勢で座るといいでしょう。脚を組み、手のひらを上にし、左手の上に右手を乗せて禅定印を結びます。背筋を伸ばし、肩を左右平衡に保ち、顎を少し引きます。舌を上の口蓋に付け、鼻先を見るようにして目をわずかに開けます」

「どの伝統的宗教にも良き徳性があり、私は全ての宗教に敬意を表しています。しかし、仏教や、その他の古代インドの伝統的宗教では、瞑想を修行の重要な要素としています。私たちは瞑想によって、ゆったりとした心の状態を維持することができるのです」

「まずは心を中立な状態に保ちます。そして、菩提心生起や空性の洞察などによって心を前向きな状態にします。他のインドの伝統では、独立した自我(アートマン)が存在すると仮定していますが、釈尊はそのような、体と心とは別の独立した自我の存在を否定されました。私たちは『この自我、つまり “私” はどこにいるのか?』と問わなければなりません。そしてこの質問に答える時、『心と体は誰のものなのか?』と言葉にします。『私のものだ』と答えるなら、『心と体を所有している自我、または “私” はどこにいるのか?』と自問しなければなりません。しかし、脳や体のどの部分を探しても “私” を見つけることはできず、その状態にとどまって瞑想します」

「私たちは夢の中でさえ、“私” という感覚を持っていますが、そのような自我を見つけたり、特定したりすることはできないのです。仏教のすべての宗派は無我を主張していますが、これは “私” が全く存在しないことを意味するのではありません。実際に世俗のレベルでは、私の手、私の頭などについて話しています。“私” は個別の独立した存在のように現れていますが、しかし “自我” として指をさして特定されるようなものは何もないのです」

韓国グループのリクエストによる法話会の2日目に、法話会に参列する韓国の僧侶と尼僧たち。2022年11月26日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

「無我の見解には粗いレベルと微細なレベルがあり、その段階によって定義が異なります。釈尊はまず粗いレベルの無我を説かれ、次に微細なレベルの無我について説明されました。そして最終的に、密教の修行の土台となる光明の心について明らかにされました」

「体がその各部分に依拠して体と呼ばれるように、“私” または自我は、心と体の集合体として “私” と呼ばれています。意識が “自我” または個人として特定されると主張する哲学学派もありますが、心と体がなければ、仏陀のことさえ、仏陀とは特定できないのです」

「僧伽についても同じです。指をさして “これが僧伽だ” と言えるものは何もありませんが、では僧伽が存在しないのか?と言えば、そうではなく、僧伽は単に名前を付けられたことによってのみ存在しているのです。僧伽という名前を与えられた何かがありますが、それを超えて実在するものは何もありません。仏陀から最も小さな昆虫に至るまで、世俗の感覚で感じる “私” は確かに存在していますが、それを分析してみるならば、そこに見出されるものは何もありません。そのことに集中して瞑想します」

法王は、毎日省察されている、チャンドラキールティ(月称)の『入中論』第6章の3つの偈頌を引用された。[ここでは、『中観密意みっち解明』(ツォンカパ大師の『入中論』の注釈書)から、これらの偈頌の議論の要約を引用する]


  • もし、自相が〔自性によって成立する因や条件に〕依存して生じるならば
  • 自性〔による成立〕はないと考えることによって事物は消滅するため
  • 空性が事物の消滅の因になる
  • しかしそれは論理に反するので、事物は存在しない(『入中論』第6章34偈)


もし、色しき(物質的存在)や受じゅ(感受作用)といった事物の固有の相(特徴)が、それ自身の自性を通して、因や条件に依存して生成するならば、「一切の現象には固有の実体がなく、空である」と直接知覚する聖者の瑜伽行者は、事物が持つ固有の自性を否定することで空性を悟ることになってしまう。瑜伽行者は等引とういん(禅定に入った状態)において実際に色しきなどを認識することはないが、もし色しきなどが固有の相(特徴)をもって存在するならば、それらは必ず認識されるはずである。しかし、認識されることはない。

法話会の2日目に、参加者に説法をされるダライ・ラマ法王。2022年11月26日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

認識されないということは、色しきなどは存在しなくなるということであり、もし存在しなくなるのであれば、等引に入る前は存在していたものが、等引に入ると破壊されたり、消滅したりするということになり、等引はそれらを破壊する原因だということになる。つまり、ハンマーなどが水瓶などを破壊する原因であるように、空性を直接体験することも、事物の本質を破壊する原因であり、そのようにして色などが消滅することになる。しかし、これは論理に反するので、固有の相(特徴)の力によって、独立して実在する事物など存在しない。そうであるから、固有の生成のような概念を決して支持してはならない。


  • これらの事物を分析してみるならば
  • 真如を本質として持つ事物以外に
  • とどまる所を見出すことはできない
  • ゆえに、世間において言葉で述べられた真理(世俗諦)を分析するべきではない(同35偈)


色しきや受じゅなどの現象を「それ自体から生じるのか、他から生じるのか」などと言って徹底的に分析したところで、究極のレベル(勝義諦)においては生じもしないし、滅しもしない、という事実を超えて、真如を本質とするということ以外に、何も見出すことはできない。生成などという別の次元はないのである。そうであるから、世間における世俗の真理(世俗諦)を、「それ自体から、他から」などという言葉を使って徹底的に分析するべきではない。「これがあれば、こうなる」というような言葉でとらえられている、世間的な認識の事実を、ただ受け入れればいいのである。この世界における、他のものに依存して生起する慣習を共有することに基づいて、そのように受け入れるべきである。


  • 真如について述べる時
  • それ自体から、あるいは他から生じることは論理的に正しくない
  • それは世間の言説においても論理的に正しくない
  • あなたの言う生成とはどうやって存在することになるというのか(同36偈)


真如、あるいは究極の真理(勝義諦)の分析という文脈において、先に示した特定の論法は、色しきなどの現象が、それ自体から、あるいは他から生成するとは認めない。同様に、世俗のレベルにおいても、同じ論法により、固有の相(特徴)による色しきなどの生成は認められない。そうであるなら、どのような正しい認識(量)によって、あなたの言う固有の生成が確立されるというのか。固有の生成などないのである。

そして法王は次のように述べられた。
「今日を生きる80億の人間は、幸せを望んでいるという点において皆同じです。私たちもそのような人類の一部です。しかし、人々は苦しみを望まないにも関わらず、苦しみの原因になる事柄を追い求め、自他の破滅を招いています。自分はたった一人に過ぎず、他者は無数にいることを考えてください。“彼らが苦しみませんように、彼らが幸せになりますように” と考えて、他者に喜びをもたらそう、と決意してください」

法話会が終了し、聴衆に挨拶しながら会場を後にされるダライ・ラマ法王。2022年11月26日、インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ(撮影:テンジン・チュンジョル / 法王庁)

続いて法王は、会場からのいくつかの質問に応じられた。最初の質問はソーシャルワーカーについてのもので、法王は、ソーシャルワーカーが他者のために奉仕する時、あたたかい心を育むことが重要であり、そうすることで自分の身体の疲弊を防ぐことができると示唆された。また、精神的な修行者と称する人が、その志と矛盾するような行動をとるのは何が問題なのか、との質問に対して法王は、その人は道徳的な行動と非道徳的な行動を混同しているのだと指摘された。最後に、なぜ有情に意識が生じたのか、という質問がなされ、法王は、意識は仏陀が作られたものでもなく、カルマの産物でもないことを明らかにされ、意識の本質は、明らかで、知ることができることだ、と述べられた。

ここで法王は、ナーガールジュナ(龍樹)の『根本中論頌』のテキストを取り上げ、ナーガールジュナは第二の仏陀として知られており、深遠なる智慧の教えの系譜の創始者とも言われていると説明された。そして法王は、このテキストの解説の伝授を、元ガンデン僧院座主のリゾン・リンポチェから授かっていると述べられ、当時、金剛怖畏のリトリート中であったリゾン・リンポチェは、リトリート修行のセッションの合間にこの伝授を行われたと明かされた。そして法王はこのテキストの最初の13章を読み上げられた。

次に法王は、菩提心を育むための2つの修行法について触れられた。ひとつは “因と果の七つの教え” に基づく方法であり、もうひとつはシャーンティデーヴァ(寂天)が『入菩薩行論』で述べられている、“自他を平等にみなし、自他を入れ替えて考える” 方法である。法王は、この二つのうちで、後者がより効果的であると感じている、と明かされた。法王は、ご自身が、毎日、菩提心と空性の見解を育んでいることを繰り返し、この二つの原理を修行の土台とするように聴衆に呼びかけられた。

続いて法王は、まず観想方法を説明してから、発心の偈頌を唱えることで参加者を菩提心生起の儀式に導かれた。そして法王は、揺るぎない決意を持って修行に臨み、六波羅蜜の実践を修行の支えとするように聴衆を励まされた。

法王は、「自信を失ってはいけません。菩提心と空性の理解を結び合わせて修行するならば、仏陀の境地を得ることはただの祈願ではなく、現実的な可能性となるでしょう」と述べられ、法話会を終えられた。

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