インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
ダライ・ラマ法王は今朝、ジョー・バイデン氏に書簡を送り、アメリカ大統領選挙での勝利を祝福された。書簡の中で、法王は次のように述べられた。
「ご存知のように、私は長きにわたり、米国が掲げてきた自由、民主主義、信教の自由、法の支配を心から称えてきました。私たち人類は、民主主義の展望と自由世界の指導者としての米国に大きな期待を寄せています。とりわけ、このように困難な時代において、貴殿ならより平和な社会の構築に貢献できると私は期待しています。貧困や不当な扱いに苦しむ人々が救済を見いだせるようにすることは、気候変動の問題と同様に、緊急に取り組む必要があります」
「私はまた、貴殿がカマラ・ハリス氏という女性を副大統領として選んだことも称賛したいと思います」
「私はチベット問題をはじめ、政治的問題に関わる権限を選挙で選んだチベット亡命政権の政治的指導者に移譲して以来、人間のよき本質を育むことや、異なる宗教間の調和をはかること、非暴力と思いやりの心を高めることに専念してきました。これらはいずれもこんにちの社会に必要とされているものです」
「今年9月の声明はもとより、議会ならびに前政権における貴殿のチベット人に対する支援に、私は感謝したいと思います。チベットの仏教文化の保護に取り組むなかで、アメリカ国民ならびに各大統領から励ましと友情をいただいてきたことは、チベット人にとって実に幸せなことです。チベットの仏教文化は、平和、非暴力、慈悲の文化として古代より引き継がれてきたものであり、人類全体のために貢献できる大きな可能性を持っています。私はこの場を借りて、チベット人を代表し、重ねて感謝の意を表明したいと思います」
「私は、貴殿があらゆる困難を乗り越えて米国民の願いを実現し、より平和で友好的な世界を築かれることを願っています」
法王は書簡の最後にこのように記して、祈りを捧げられた。