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青年実業家会でのご講演 2017年6月19日

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アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ

今朝早く、地元在住のチベット人グループと支援者たちに見送られ、ダライ・ラマ法王はサンディエゴから次の訪問先であるニューポートビーチへ車で向かわれた。ニューポートビーチへ到着されると、法王のご訪問を心待ちにしていた約120人の地元チベット人、ベトナム人、中国人やその他のご友人たち、そしてアナハイム市長のトム・テイト氏が中心となり法王を出迎えた。

ニューポートビーチに到着され、伝統的なチベットの歓迎を受けられるダライ・ラマ法王。2017年6月19日、アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ(撮影:ジェレミー・ラッセル / 法王庁)

地元在住のチベット人たちは、伝統的な供物を整えて法王を歓迎する準備をしていた。普通、賓客は、木箱に盛られたツァンパ(大麦を炒って粉にしたもの)と大麦の粒を順次ひとつまみ取って空中に撒き、幸運を願って、チャン(大麦酒)の入ったカップに指を少し浸けて空中に撒く。法王は、この伝統的な作法に従って一連の所作を終えられると、テイト市長にもその作法をするよう導かれた。

青年実業家会(YPO)は、若い最高責任者たちの世界的なネットワークであり、地元のメンバーとの会見会場に到着された法王は、旧友のテイト市長の紹介を受けられて、いつものようにスピーチを始められた。

「私は常に、お話をする機会を得たときはまず最初に、聴衆の方々を兄弟姉妹と見なしていることをお伝えすることにしています。その理由は、この地球に住む70億の人々は皆、私の兄弟姉妹だと思っているからです。私たちは、皆同じように生まれ、両親のあたたかさを感じながら育ち、とりわけ母親からは深い愛情を受けて成長します。慈悲の心(思いやり)は宗教的な思想から生まれたのではありません。科学者たちも、実験結果に基づいて、人間の基本的な性質は思いやりの心であると報告しています。私たち人間の優れた知性を正しく育てていけば、そこに希望はあるのです」

青年実業家会のメンバーにダライ・ラマ法王を紹介するアナハイム市のトム・テイト市長。2017年6月19日、アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ(撮影:ジェレミー・ラッセル / 法王庁)

「残念ながら、近代の教育機関は、外面的な目的のみに目を向けており、内面的な要素には十分な配慮がされていません。心の内面に目を向けることは、以前は教会の指導下で行われていましたが、そのような伝統が失われてしまった今、このような道徳的な指導は学校教育の中で行われなければなりません」

「今日、この場で皆さんにお話しする機会をいただいて、とても光栄に思います。また、私の旧友であるトム・テイト市長の紹介をいただけて、とても幸せです。彼がアナハイム市で取り組み続けている、思いやりの心を普及させるための貢献を私は高く評価しています。テイトご夫妻に心から感謝の念を表したいと思います」

「せっかくの機会ですので、皆さんとの交流の時間を設けたいと思いますが、その前に、私が強い懸念を持っている幾つかの問題について、簡単にお話しさせていただきたいと思います。まず第一に、私は人類が幸せで充足感を持っていれば、各個人も幸せになれるという考えかたを持っています。私たち人間は、社会的な生活を営みながら生きていく類の動物ですから、私たちの生存は共同社会に大きく依存しています。今日、私たちは世界経済の一部に組み込まれているだけでなく、気候変動などの世界共通の問題に直面しており、皆が力を合わせてこれらの問題を解決していく必要があるのです。時には意見の相違などがあるかもしれませんが、私たちはそれを乗り越える力を持ち合わせています」

「先日、健康診断のためにメイヨー・クリニックを訪れた時、患者の皆さんが、それぞれの生い立ちや国籍、人種、信仰に関わらず、治療を必要としている一人の人間として受け入れられていることを感じました。これはすばらしいことだと思います。なぜならば、私たちの抱えている問題のほとんどが、お互いの二次的な違いを強調しすぎた結果として生じているからです。この種の問題を解決するための唯一の対策は、私たちは基本的なレベルにおいて、皆同じ人間であるということを思い出すことです。私たちは、人類は一つの人間家族であるということをより強く認識する必要があります」

青年実業家会のメンバーとの会見でお話をされるダライ・ラマ法王。2017年6月19日、アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ(撮影:ジェレミー・ラッセル / 法王庁)

「世界中の主な宗教は、愛や許し、寛容さなどを説いている点で共通しています。哲学的な見解の面においては、それぞれに相違がありますが、いずれの宗教も、その目的は同じです。また、それぞれの宗教が生まれた時代、場所、環境などの背景に基づいて文化的な要素を取り込んでいます。例えば、ユダヤ教の「目には目を」という格言や、すべてのイスラム教徒が守るべき規範であるイスラム教のシャリーア法、またインドにおける男性優位社会の慣習やカースト制度などが挙げられます」

「これらの慣習は、宗教の教えに基づいたものではなく、今となっては時代錯誤の考えかたであり、なくすべき風習です。ダライ・ラマ制度の役割もその一つの例だと言えるでしょう。私はダライ・ラマとしての政治的責任から完全に引退したことで、これからのダライ・ラマは宗教的な役割のみを遂行することを明らかにしました。それぞれの宗教が共通して、愛と思いやりのメッセージを発信し続けていることから、私は異なる宗教間の調和を図ることに専念しています」

続いて法王は、イスラム教徒のテロリスト、仏教徒のテロリストなどという呼び方が、なぜ間違った見かたなのかを説明された。テロリストは単なるテロリストであり、誰かがテロ行為を起こしたその時点で、その人は敬虔なイスラム教徒や仏教徒ではなくなるからである。法王は、以前タイム誌の表紙に、「ビルマで仏教徒のテロリスト」という見出しが書かれたことに言及され、その僧侶がイスラム教徒に対して暴力や迫害を行使した時点で、彼はすでに仏教徒とは言えない、と述べられた。これと同じように、かつて法王のイスラム教徒の友人たちが、イスラム教徒はアラーの神によって創造された全ての命を慈しむよう教えを受けていることを考えるならば、流血の惨事を起こすような信者はもはやイスラム教徒ではない、と法王に話したことを語られた。

青年実業家会のメンバーとの会見でお話をされるダライ・ラマ法王。2017年6月19日、アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ(撮影:ジェレミー・ラッセル / 法王庁)

そして、法王はひとりのチベット人としての立場から、チベット高原の自然環境を保護する活動に目を向けることの重要性を伝えることに献身している、と述べられた。アジアの広範囲に流れる主要河川の水源として、10億人以上の人々がチベット高原から湧き出る水に頼って生活している。また法王は、仏教を普及するためではなく、心と感情の働きについて役に立つ知識を広めるために、チベットの生きた仏教文化を存続させるためにも尽力されている。仏教の教えでは、破壊的な感情(煩悩)に取り組むにはどうすればよいのかを、学術的な見解から学ぶことができるからである。

このような理由からも、世俗の倫理観が必要とされている。インドで認識されている「世俗」という言葉は、様々な宗教に信心している人たちに対しても、また一切の宗教への信仰を持たない人たちに対しても公平であり、そのすべての人たちに対する尊敬の念を持つ、という意味を表している。堕落してしまった宗教に反対するのは分かるが、愛と思いやりの心を教える宗教に敵対心を持つ人などいるだろうか、と法王は問いかけられた。

チベット仏教の伝統は、理由と論理に基づいたナーランダー僧院の伝統を引き継いだものであり、またそれと同時に、高度に発展した古代インドの心理学の教えも引き継いでいる、と法王は説明された。法王が出会った科学者たちの多くは、これらの知識を学ぶことに深い関心を示している。また、仏教の心髄となる教えは仏教経典の中に含まれているものだが、日常生活にも深い関連性があることから、一般教養として学ぶことも可能である、と法王は付け加えられた。

質疑応答の時間に入ると、法王は多くの質問に答えられた。まず、ヨーロッパの難民受け入れについての質問に対し、避難所、支援、そして訓練を受ける機会を与えることは大切だが、長期にわたる目標は難民たちの祖国の平和と発展を復興させることにある、と法王は答えられた。次に、思いやりの心を育むことを阻む一番大きな障害は何かと尋ねられ、「自己中心的な態度と、“私たち” “あいつら”という敵味方に分ける考えかたです」と法王は返答された。そして、民主主義と相互依存に基づく21世紀を形作るには、偏見のない開かれた心とより広い視野を持つことが必要である、と法王は述べられた。

青年実業家会のメンバーとの会見を終え、記念撮影に応じられるダライ・ラマ法王。2017年6月19日、アメリカ、カリフォルニア州ニューポートビーチ(撮影:ジェレミー・ラッセル / 法王庁)

指導者的な立場にある人が、まわりの人々に良い影響を与えるためにはどうしたらよいか、という質問に対し、貧困者や支援を必要とする者たちは、自分に自信を持てるように強くなる必要があるが、手を差し伸べる側も彼らに尊敬の念を持って助けるべきである、と法王はアドバイスされた。そして、法王ご自身の指導者としての立場を例に挙げられて、ご自身の家庭教師の先生方や、身近な職員たち、謙虚な清掃人などを含む法王のまわりの人々の意見を参考にするようにしている、と明かされた。また、正しい答えを出す時などジレンマに直面した時は、占いを含む夢判断に頼る場合もある、と付け加えられた。

政治的責任からの引退に関しては、法王が少年時代からインスピレーションを受け続けてきたより大きな民主主義への衝動と一致していることを述べられた。また、法王の転生に関する質問に対しては、1969年に初めてこの質問に答えて以来、それはチベット人が決断するべき問題であると答え続けている、と述べられた。中国共産党政府は、法王を批判する機会を決して逃さないが、法王がどのように転生されるのかには興味があるふりをしているようだ、と冗談を言われた。中国共産党は、まず仏教への信心に基づいて、毛沢東元主席と鄧小平氏の転生を見つけ出すべきである。

法王のお好きな食べ物は何か、という最後の質問に対しては、かつてスリランカの僧侶が、仏教僧は菜食主義でも非菜食主義でもなく、施しを受けた食べ物が何であれそれに満足することが大切である、と法王に語ったことを述べられた。しかし、チベットの僧院とチベット人学校の厨房には菜食主義を奨励している、と法王は述べられた。質疑応答の時間が終わり、最後にトム・テイト市長が「今日、法王のお話を聞く機会に恵まれて、私たちはとても勇気付けられました」と述べて会見を締めくくった。

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