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「医学の進歩と死生観」— 日本医師会でのご講演 2015年4月4日

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東京

札幌から東京に戻られたダライ・ラマ法王は、午後、日本医師会が主催する来日特別講演に赴かれ、会場に集まった聴衆とオンラインで結ばれた16万6千人の人々の前で講演を行われた。法王は厳かな表情で迎える500人の医師たちにチベット語で挨拶をされると、日本医師会の会長がダライ・ラマ法王を菩薩の化身と紹介したことに触れられ、自分は一人の人間であると考えています、と述べられた。


日本医師会会館大講堂で講演されるダライ・ラマ法王。2014年4月4日、東京(撮影:テンジン・ジグメ)
「医療に従事する皆様の集まりに参加させていただいたことはとても光栄です。概ね全ての人々の活動はなんらかの形で他者の幸福に貢献できるものですが、医師と看護師はしばしば人々に新たな命の機会を与えるという貢献をされています。人々はピクニックのために病院を訪れるわけではなく、なんらかのトラブルを抱え、助けを求めて病院を訪れます。そのような人々に対して、あなた方、医師や看護師は新たな人生を与えているのです」
法王はまた世界には数千年前に起源をもつ各種の医学体系があることに言及された。チベットの歴史には、チベット皇帝の庇護の下に8世紀にラサで催された国際会議が記録されている。その会議には、ペルシャやアフガニスタンからユナニ医学の代表者、インドからアーユルヴェーダの代表者、そして中国とチベットの医学体系の代表者らが出席した。現代のチベット医学の体系は、この会議から生まれたと言えるだろう。
法王は、多くの場合西洋医学による治療が効果的であることは間違いないが、時としてアーユルヴェーダやチベットや中国の伝統的医学が効果的な場合もあるかもしれないと語られ、現代において、様々な体系の医師の会議が人々の進歩に寄与できないだろうかと問われた。

「先ほども申し上げたように、私は自分自身を今日を生きる70億人の1人だと考えています。私たちは物質的にも精神的にも感情的にも同じで、みな幸せな生活を願い、問題には直面したくないと思っていますが、自分自身で様々な問題を作り出してしまいます。なぜそのようなことが起きるのでしょうか?それは私たちの視野が狭いせいなのです。私たちが人類全体は一つの家族だという感覚を持っていないからです。私たちは社会的な動物で、みな互いに愛や慈悲を生み出す可能性を持ちあわせています。しかし同時に、私たちはみな自己中心的で、信仰や国籍や人種を理由に自分以外の人を「私たち」と「彼ら」に分けて見ています。私たちは70億人の人間が一つの存在であるという感覚を育む必要があります。

過去、私たちは大なり小なり自給自足の生活を送っていました。しかし、今日の私たちは互いに依存して生活しています。今や私たちの隣人の破滅は私たち自身の破滅を意味しています。もし私たちが70億人の人類の利益を願えば、私たち自身の利益も満たされるでしょう」



日本医師会会館大講堂でダライ・ラマ法王の講演を聴く聴衆たち。2014年4月4日、東京(撮影:テンジン・ジグメ)
法王は、誰かが助けを求め病院を訪れたら、私たちは彼らに信仰や国籍等のその人の背景を尋ねたりせず、治療を必要としている同じ患者、助けを求めている同じ人間とみなしているはずだと指摘された。私たちはみな偏見のない愛情を発達させ他人を気遣うことができる可能性をもっている、そのことを人々に気付かせることがご自身の一番目の使命だと語られた。

法王は仏教の僧侶だが、全ての宗教が愛情や寛容、自らを律することを教えていると信じており、哲学的な見解の相違はあっても、人々をより良き人間性の築きや愛情の育成に導くことができると言われた。そして、ご自身の二番目の使命は異なった宗教間の調和をはかることであると言われ、宗教の名の下での殺人の増加でますますそれが必要になっていると仰った。

第三の使命として、法王は、ご自身がチベット人だということから導かれるものであると言われた。

「私たちチベット人は自分たちの言葉と文字体系を持っています。今日、チベット語はインドのナーランダー大学において仏教の伝承を講義するうえで最も正確な言語となっています。それらの伝承は、哲学と精神と感情の知識に沿った論理学を含有しており、それらの伝承について学んできたからこそ、私はこの30年の間、現代の科学者たちと対話を行ってくることができました。昨今は多くの科学者が精神について教えるにあたり、古代インドの文献に興味を示しています」



日本医師会会館大講堂で行われた講演にて、聴衆の質問に答えられるダライ・ラマ法王。2014年4月4日、東京(撮影:テンジン・ジグメ撮影)
聴衆による最初の質問は、未来に直面するであろう難題に対して私たちはどのように取り組むことができるかということだった。法王は、現在70億の人類のうち10億人程がいかなる宗教も信頼に値しないと感じており、愛情を育むための新しい方法を促進する必要があると答えられた。将来テロリストになるような人を含め、私たちはみな母親の愛情と庇護の下で成長する。しかし成長するにつれ、私たちが自然に持っている愛情は衰えていくように見える。法王は世俗的な倫理に対するアプローチとして、インドの事例にならうことを提案された。それは、宗教の伝統を尊重する人々と、そのような信仰を持たず何ものにも依存しない人々を同じように見るアプローチで、カリキュラムには一般的な教育の仕組みに俗世の普遍的な倫理を学ぶことを組み込んでいる。

別の聴衆は、感情にどのように対処し、倫理に直面する問題にどう対処するかを法王に尋ねた。法王は破壊的な感情を減らすために必要なことは建設的な感情を強めることだと語られた。例えば、怒りの感情に対抗するために、私たちは愛情と慈悲を育む。きちんとした理屈や常識は問題に対処する助けになるが、それだけではなく、慈悲の心を強め、内なる力を増加させることが大事だと、法王は語られた。

医学がぶつかる倫理の問題において、最も重要なことは動機づけである。法王は、外科的療法は一種の暴力であるが、良い動機で行われることなので私たちはそれを受け入れる。法王は中絶を例にあげ、通常は行わないほうが良いが、それをなす方が当事者にとってより良い場合はありうるとし、そのようなケースにおいては慈悲だけでなく知恵や常識を訓練するよう勧められた。


自殺を防止するために精神科医がアドバイスを求めると、法王はあるチベットの先人の言葉を引用され、人生が短い方がより良いと思う人々は実際にそのような生き方をする、と答えられ、私たち人間の命を貴重なものとしているのは、私たちの驚異的な脳であると言われた。私たちは他の生き物が持てない形で慈悲を洗練する能力を持つ。死によってこの能力が失われることが、自殺を損失であると思う理由だと法王は語られた。



日本医師会会館大講堂で行われた講演にて、ダライ・ラマ法王に質問をする聴衆。2014年4月4日、東京(撮影:テンジン・ジグメ)
現代の都会生活は、例えばインドの村の生活と比べると、より寂しいものだと法王は指摘された。村では、自殺をしそうな人は、コミュニティからより多くの支援と理解を得るだろう。法王は15年程前にサンフランシスコで出席した若者の犯罪についての会議を思い出された。根本的な原因は愛情の不足であるということが満場一致の結論だった。たぶん、自殺の発生についても同じことがあてはまる。また、果たされない欲望、競争、ストレスも原因になりうると法王は語られた。

年輩の医師たちは、法王に若い労働者の数と年輩の引退者の数の不均衡による社会の危機についてアドバイスを求めた。法王は、スウェーデンでは年配者が子供の世話の役割を担う事業が行われている話をされた。それは結果として相互に利益が生じる。両親が働いている間に子供は年上の人々の経験から学ぶことができ、老人は若者から刺激を受けることにより精神の低下が防止される。

世俗の倫理の重要性の話に戻し、法王は学校に通う若者たちに暴力が問題解決の手段として虚しいものだと教えることが重要であると言及した。暴力を用いることは稀に解決に繋がるが、殆どの場合予想しない結果を引き起こす。子供が成長する過程で、問題を解決する為に互いにとって良い解決策を対話で見出すという考えに慣れていけばずっと良いだろう。

最後に法王は、有能で冷淡な医者よりも優しい医者の治療の方が効果的だというチベットの諺を語られた。そしてご自身の経験として、医師と看護師が優しさにより協力しあう時には、機械を修理するかのように患者を診るときよりも、迅速に回復できる自信を持てたと話された。

「しかし、このことは医師であるあなた方に語るのは釈迦に説法であると私は確信しています。」

感謝の言葉とともに法王は檀上の参加者にチベットの伝統に基づいて吉祥を願う白い絹のスカーフを授けられた。ダライ・ラマ法王の訪問を記念し、法王と日本医師会会長が日本医師会館の前庭に植樹を行った。
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